ジャズベースとプレシジョンベースの違い。よくわかるエレキベースの種類と特徴
エレキベースの2大モデルともいえる、プレシジョンベース(以下プレベ)とジャズベース(以下ジャズベ)。
Fender社から発売されて60年近く経った今でも愛され続けていて、楽器屋さんでも最も多く目にするかと思います。
今回はそんなプレベとジャズベの違いについて掘り下げてみましょう。
プレシジョンベース(プレベ)
発売は1951年。
ジャズベよりもプレベのほうがお兄さんですね。
現在、一般的に知られているプレベの前に原型とも言えるモデルが発売されていました。
プレベとも一味違う独特の存在感を持った音で、OPBやテレキャスターベースとも呼ばれています。
有名な方ではスティングがOPBを愛用していますね。
その後、1957年にピックアップなどに改良を加えた現在のモデルが発売されました。
ちなみにプレシジョンベースという名前の由来は、フレットによって簡単に正確な(プレシジョン)音程が取れることから来ているとされています。
それまでのコントラバス(ウッドベース)にはフレットがなく、正確な音程を取るのにトレーニングが必要でした。
フレットが付いたことで正確な音程が取りやすくなったこと、楽器の大きさが大幅にコンパクトになったことは、ベースという楽器における大きな進化といえるでしょう。
ジャズベース(ジャズベ)
ジャズベは、1960年にFender(フェンダー)社から発売されました。
以来、恐らく最もスタンダードなモデルとして認知されているのかと思います。
発売当初はプレベの上位機種という位置付けだったようです。
初期モデルでは2ボリューム・2トーンという回路構成となっていましたが、1963年以降は現在と同じ2ボリューム・1トーン回路構成に変更され、現在も受け継がれています。
その他、製造年代によって細かなマイナーチェンジを繰り返しながら現在に至っています。
それぞれの特徴
それでは、プレベとジャズベの違いを見ていきましょう。
音色
何よりもココが一番大きいですよね。
個人的な印象ですがジャズベはまとまりが良く扱いやすい音色で、プレベはレンジが広く1ピックアップということもあいまってピッキングのニュアンスでコントロールする奥深さがあるように思います。
ピックアップの数・種類
- プレベにはPタイプ(スプリットタイプとも)のピックアップが1つ
- ジャズベにはJタイプ(シングルコイルとも)のピックアップが2つ
取り付けられています。
先述したとおりピックアップが2つ搭載されているため、より幅広い音色を作れるというのもジャズベースの特徴ですね。
逆にピックアップが一つのみのプレベには、ジャズベにはない独自の音色・レンジの広さがあります。
ボディデザイン
ピックガードの形状が異なることもルックス面での大きな違いです。
ジャズベースにはその他、コンター加工や左右非対称のボディ形状の採用など、当時上位機種としてラインアップされていたことを思わせる違いがありますね。
ネックグリップ
ジャズベはプレベと比較してネックグリップが細見に作られています。
このため1〜5フレット近辺のローポジションでの演奏性が向上しています。
対してプレベは全体的に厚めのものが多く、ここも好みの分かれるところかと思います。
最後に
いかがでしたか?
ジャズベとプレベの違い。
見た目以外にもいろいろあって面白いですね。
実際に手にとって音を出せば、その違いもハッキリと体感できるかと思います。
ジャズベースの発売以降、プリアンプを内蔵したアクティブベースの登場や、多様な木材を貼り合わせたラミネート構造のベース、5弦や6弦などの多弦ベースなど急速に進化を遂げています。
この選択肢の多さもある意味、ベースならではの楽しみですね!
ライタープロフィール
ベーシスト・ベース講師
土井重彰
平成17年 biwako record よりoutergarden でCD リリースし、滋賀県で開催された1000人規模の野外音楽フェスティバルやNHK テレビなどに出演。
その後新たに加入した清水リゾート.Rで自主製作CDを複数リリースし、ミナミホイールなどの音楽フェスティバルやFMラジオ NHKテレビ等に出演。
同時期より並行して多くのアーティストのサポート演奏やレコーディングに参加し、ポップスやロック、ジャズ、ファンクやラテンなどの幅広いジャンルで経験を積む。
現在は大手楽器店でのエレキベース科講師やワークショップ、音楽教室の主催やその他複数の音楽教室で指導を行う傍ら、自身のラテンファンクバンドやビッグバンドでの演奏、ジャムセッションのホストメンバーやWEBマガジンへの執筆など多方面に渡り活躍中。
エレキベース奏法全般、及び音楽理論を黒石昇氏に師事。
レッスンや演奏依頼などをご希望の方はHPよりお問い合わせください。
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