ベースは弦で変わる!弦を厳選するための知識 長さ・太さ編
今回はベース弦の長さと太さについてです。
弦を買いに行くと、パッケージにロングスケールやレギュラーゲージなどと書かれているのを目にするかと思います。
「スケール」は物事の大きさや規模、「ゲージ」は、標準の寸法、規格という意味です。
ベースの弦でいうと「スケール」が長さ、「ゲージ」は太さということになります。
では、この長さと太さについて解説していきたいと思います。
長さ(スケール)について
まずは長さについてですが、長さはベースの種類によって既に決まっているので、弦の長さを変えるということはまずありません。
例外として、ブリッジを裏通しのものに交換した際は、今までのものより長くした方がいいかもしれません。
自分のベースのスケールを知ろう
一般的なベースは34インチのロングスケールものがほとんどですが、5弦や6弦などの多弦ベースはテンション(弦の張りの強さ)を稼ぐために、35、36インチスーパーロングスケール、またはエクストラロングスケールが採用されているものも多いです。
その他、ロングスケールより演奏性を高める目的で作られた32インチのミディアムスケールや30インチのショートスケールのベースも存在します。
ミディアムスケールはこれといって代表的なモデルはないのですが、ショートスケールだとポール・マッカトニーが使用していたことでも有名なヘフナーのバイオリンベースやギブソンのSGベース、フェンダーのムスタングベースなんかが有名で、あえてショートスケールのベースを好んで使用している人も多いです。
弦を買う際はまず、自分のベースのスケールを調べてから買いましょう!
型番をネットで調べるか、実際にメジャーなどで計ってみてください。
ロングスケールのベースは約864ミリです。
それ以上であればスーパーロングスケールです。
ミディアムスケールは約812ミリ、ショートスケールは約762ミリとなっています。
太さ(ゲージ)について
ベースの弦の太さは長さと違い、十人十色、人それぞれの好みに合わせて選ぶことができます。
しかし、何も知らずに太さをテキトーに選ぶと後々後悔することになりかねないので、太さを変えることでどうなるのかをしっかりと理解してから変えてみてください。
表記されている数字の意味
メーカーなどによって多少違うのですが、.045、.065、.085、.105と小数点3桁の数字のものと45、65、85、105と2、3桁で表記されてものがほとんどかと思います。
この表記されている数字の単位はインチです。
.045でしたら0.045インチということです。
ミリで表すと1.143ミリです。
2、3桁の表記の場合は数字に0.001をかけたものがその弦のインチです。
これは弦の直径、太さを表しています。
数字が小さい方から順に1弦、2弦、3弦、4弦の太さということになります。
この各弦の太さの組み合わせは各メーカーやシリーズによってさまざまです。
標準とされているレギューラーゲージは.045、.065、.085、.105です。
音色の変化
弦の太さが変わることにより、まずテンション(弦の張りの強さ)が変わります。
太くすればきつくなり、細くすればゆるくなります。
このテンションが変わることで弦の振動の仕方も変わってきます。
ベースやギターなどの弦楽器は弦の振動、揺れによって音が出ます。
つまり振動の仕方が変われば、音色も変わるということです。
弦が太く、テンションがきつい場合は引っ張り合っている力が強いため、弦が振動する幅は狭くなります。
狭くなることで、タイトな締まった音色になり、音程感も増します。
細くした場合は逆で、テンションがゆるくなり、弦の振動する幅も広くなるので、柔らかく軽やかな音色になります。
演奏面での変化
弦が太くなればテンションがきつくなり、細くなるとゆるくなると先程も説明しましたが、これは演奏面にも大きな影響が出てきます。
弦が太くなればなるほど、押さえる際に力が必要となってくるので、弾きにくく感じるでしょう。
太い音を求めてむやみに弦をしすぎると、弾きにくくなってしまうので注意が必要です。
求める音色と演奏性のバランスが大切になってきます。
その他の変化
弦の太さを帰るとネック、ナットにも影響します。
まずネックですが、これもテンションと大きく関係してきます。
通常ネックはチューニングをした状態でまっすぐになっているのが理想と言われていますが、弦の太さを変えればネックにかかるテンションも変わってくるので、調整が必要となる場合が出てきます。
ネックの反り具合が変わることにより、弦高も変わってしまう場合があります。
弦の太さを変えたら、弾いた時にビビりが出るようになったなんてことになる可能性もあります。
ネックに使用されている材や個体差にもよるので、弦の太さを変えたら必ずしもネックの調整をしないといけないとか、ビビリが出るようになるというものではありませんが、少なからずネックに影響を与えるということは覚えておいてください。
あとナットですが、出荷時に張る弦に合わせて溝を切っているので、極端に太い弦にすると溝にはまらなかったり、弾いている時に溝から落ちてしまうことも出てきます。
逆に、極端に細い弦に変えるとナットの溝の中で動いてしまいビビりの原因になることもあります。
極端な太さの変更を行う際はナットの交換も必要となってくるので、交換前に一度楽器屋に相談してみた方がいいと思います。
まとめ
弦の長さは基本的に変えることはないので、お持ちのベースのスケールを把握していれば迷うことはないでしょう。
太さは変えることで注意しなければいけないことが結構出てきますが、極端な変え方さえしなければ、そこまで大きな影響は出ないかと思いますので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
傾向としてはタッピングや3フィンガーなどのテクニカルなプレイを多用する方は細めの弦を貼っている方が多いように感じます。
また、特に女性ベーシストの方で弾きにくいを感じているのでしたら、少し細めの弦に交換してみるのもいいかと思います。
ライタープロフィール
ベーシスト・サウンドクリエイター
Broad Person
ベーシスト、サウンドクリエイター、ブロガー。
14歳の時にベースを手にし、バンド活動を開始。
その後、大阪の某音楽専門学校へ進学。
これまでにいくつかのインディーズバンドを渡り歩き、全国規模での活動を展開してきたが、限界を感じてあえなく就職。
就職後はベースの講師業も隠れてこそこそ行い出す。
DTMにも手を出し、ひとりで曲作りも開始。
自身のペースで地道に活動中。