ベースは弦で変わる!弦を厳選するための知識【素材編】
ベースの弦に関するお話です。
今回は「素材」についてです。
素材によってもやはり音色はかなり変化します。
ベースの弦に使われる素材の代表的なものとしては「ニッケル」と「ステンレス」が有名です。
その他、「ナイロン」や「ブロンズ」といった素材のものもあります。
今回はそれぞれの素材の特徴についてご紹介していきたいと思います。
ニッケル
ベースの弦の素材において、最も一般的なのが「ニッケル」です。
サビに強く、加工もしやすいため、ベースの弦などの素材としては非常に適した素材と言えるでしょう。
価格も比較的リーズナブルなものが多いので、お財布にも優しい素材です。
音色的には程良いブライト感はあるものの、癖がなくバランスのいいサウンドが特徴です。
指・ピック・スラップと奏法も選ばないかと思います。
幅広いジャンルで使用されている、オールマイティーな素材と言えるでしょう。
悪い言い方をすると、個性がないということにもなります。
手触りは程良くザラついた感じです。
ステンレス
「ニッケル」以上にサビに強く、硬い素材のため、耐久性に優れた素材です。
その硬さ故、フレットの消耗は激しく、テンション(弦の張りの強さ)も「ニッケル」に比べ、キツめです。
アタック感が強調されてた、輪郭のはっきりとした硬めのサウンドが特徴です。音の立ち上がりも速いです。
スラップを多用するベーシストに好まれます。
倍音を多く含んだ、明るいブライトな音色ではあるのですが、悪く言えばギラギラしすぎているので、多少ジャンルは選ぶ素材かと思います。
手触りは結構ザラザラとした感じのものが多いです。
ナイロン
弦としてはクラシックギターの弦として主に使われている化学繊維の素材です。
スチールの芯線にナイロンが巻かれており、柔らかい素材のため、フレットへの影響も少ないです。
いわゆるブラックナイロンというやつです。
伸縮性があり、テンションはかなりゆるめです。
サスティーン(音の伸び)は短く、丸く暗めな音色が特徴です。
ビンテージサウンドと言いますか、ウッドベースとエレキベースの中間といった感じです。
ナイロン弦は基本的には他の弦に変えたくならない限り、張りっぱなしの人が多いかと思います。
また、通常「ニッケル」や「ステンレス」の金属製の弦は弦アースと言われるものが取れるのですが、ナイロンは金属ではないため、弦アースが取れず、ノイズが大きくなってしまうという欠点があります。
弦アースについても説明し出すとかなり長くなってしまうので、今回は割愛させて頂きます。
ブロンズ
アコースティックギター、ベース用として使用されることの多い、銅を主成分とした錫(すず)との合金素材です。
弦に使用されるものは割合的に銅8割、錫2割のものが主流となっています。
音色的にはアコースティック用の主流とあって、温かみのある落ち着いたサウンドが特徴です。
またブロンズに燐(りん)を加えたフォスファーブロンズ弦というものもあります。普通のブロンズに比べてサスティーンもあり、きらびやかなブライトな音色が特徴です。
弦の寿命も普通のブロンズに比べ長いです。
コーテッド
巻弦の表面を薄い皮膜で覆ったタイプの弦です。
ポリマー樹脂で覆っているものが主流ですが、クロームメッキで覆っているものもあります。
耐久性がかなり上がり、弦の寿命も長くはなりますが、価格は少し高めのものが多いです。
また、コーティングを施しているため、やや高音が絞られたような音色となってしまいます。
張りたてでも、新品の弦独特のブライトさはありませんが、張ってしばらくたって落ち着いた状態が長く続くといった感じです。
手触りもツルツルとまではいかないものの、ザラザラ感はあまりなく独特の手触りです。
また、表面がコーティングされているのでアースが取れない場合が多く、ノイズが大きくなってしまうこともあるので、賛否両論分かれる弦です。
まとめ
特にこだわりがないのであれば「ニッケル」を選んでおいて間違いはないかと思いますが、他の人と違うサウンドを求めるのであれば、ステンレスやナイロンの弦を試してみてもいいかもしれませんね。
ただ、フレットの消耗や、ノイズなどのリスク面もしっかりと理解した上で交換しないと、後々いろいろと問題が出てきてしまうので、やはり弦に対する知識もしっかりと知っておくべきなのではないでしょうか。
ライタープロフィール
ベーシスト・サウンドクリエイター
Broad Person
ベーシスト、サウンドクリエイター、ブロガー。
14歳の時にベースを手にし、バンド活動を開始。
その後、大阪の某音楽専門学校へ進学。
これまでにいくつかのインディーズバンドを渡り歩き、全国規模での活動を展開してきたが、限界を感じてあえなく就職。
就職後はベースの講師業も隠れてこそこそ行い出す。
DTMにも手を出し、ひとりで曲作りも開始。
自身のペースで地道に活動中。